僕は上司に童貞を証明できなかった

「最近ヤッたのはいつだ?」












僕は日系のとある会社に勤めている。


そこは年功序列の世界。



社長の言葉は絶対


部長の言葉は絶対


課長の言葉は絶対



先輩の言葉は絶対









先輩の言葉は絶対
























「おまえまだ童貞なんだって?」
















入社して3年目に入る手前だろうか。









昼ごはんを一緒にした時ふとその問いが僕に投げかけられた。








急すぎる質問に口が渇いて言葉が出ない僕。







「えっいや...」









「あっ1年目の時夏休みタイに行ってたから、
素人童貞か!」














斬新な発想だった。










タイのゴーゴーバーで入国後2時間で有り金
すべてを溶かしたAFCは肯定も否定もできず、
目の前のトンカツを口に運んだ。















その日から僕の童貞ライフが始まった。






















「お前はもっと女と遊ぶべきだ!」
















酒の席でいつも言われる定番文句。









事務のお姉さん方は聞かなかったふりをして、





耳に聞こえたその雑音に苦笑いを浮かべる。
















2ヶ月もたたないうちに、社内で僕は「童貞」
キャラを確立していた。










誰だって女の子遊びを会社の人にばれたくはない。




ヒヤリとする場面は何度もあった。

















「昨日六本木でお前を見たって同期が言ってたんだけど。」







「ぎくっ」














「両肩に女の子抱いてたから多分違うなー」













先輩、それたぶん俺やでw



















「昨日と同じシャツだけど、お前昨日俺より早く退社してなかった?」






「ぎくり」




















「どうせ飲みすぎて終電逃して満喫パターン
だろ笑」












先輩、俺ストで声かけた子とラブホ帰りやでw













某バーに女の子を連れ出した時、偶然先輩に遭遇した翌朝も、












「昨日おまえ女と何しとったんやー(ニヤニヤ」





「え、いや...(あーこれはばれたw)」























「完全に美人局だったな、おまえ普段女とあそんでないからああいう女に騙されるんやぞ、俗にいうメッシー君だ笑」






















先輩、メッシー君その美人局?ノーグダで即ったけどw

















キャバクラに連れていってもらった時も











「こいつ女の子と話すの慣れてないから、話しやすい子つけてあげて!」




「.....ありがとうございます!」





わちゃわちゃ




30分後







女の子「ねえライン交換しよ」



ぺこ「毎回それ言ってるの?交換してどうするの?」






女の子「...なんか変わってるねぺこくん、いいから交換しよう!」









ぺこ「俺はいいよ、先輩と交換してあげて」








先輩(ほろ酔い)

「うだうだ言ってないで早く〇〇ちゃんとライン交換しろや!はい交換っと!」





結局ラインを交換して解散。







先輩の好意?でライン交換した女の子とアフターをすることになった。








ラインを交換する前から結果は見えていたが、
僕は翌朝も同じシャツで出勤した。わざとである。










翌朝





「おーいぺこ昨日は楽しかっただろ、あのあと
どうした?教えろよ(ニヤニヤ」



「いや普通に飲んでって感じです...(即とか言えねえ)」


















「つまんないねええw俺はあの後3件はしごして
最後はカラオケで俺の男をみせてやったよ」














「ところでおまえ?なんで今日も同じシャツなの?」

























先輩の愛のある童貞いじり、







最初はドキドキが止まらなかったけれど








最近は逆に安心感すら覚える笑

































「ぺこ、おまえ最近いつヤった?」








「えーいつだったっけなあ、昨日です!」


















驚く先輩の顔






















「あー悪い悪い、おまえ童貞だったわ笑」